[小糸町史]
昭和46年合併により君津市誕生、小糸町の発展的解消の記念碑として昭和49年3月1日発刊

<以下序説の一部をご紹介致します>

 われわれが呱々の声をあげるときから、その土の上で遊びその土の上で生活し、ついにその土に帰って行くように運命づけられているこの小糸の土地も、これを地球儀の上に求めるのなら、拡大鏡ででも探さなければ見ることの出来ない
微少な一点にすぎない。然し取るに足らない微少な広がりが、われわれ小糸の住民にとっては、全宇宙にも匹敵する尊さをもって、光り輝いているように感ぜられるであろう。
 われわれはここに生きている。
 われわれの祖先もまたここに生まれ、ここで死んだ。
 われわれの子孫もこの土に生き、この土に帰って行くであろう。
 われわれが今日あるは、総てこの土地のおかげである。
われわれの生活の源であり根元であるこの土地は、どうして出来、今日あるが如くになったのだろうか。
 このように我々に重要な土地でありながら、我々は平素、一刻もこれなくしては生きられない空気を忘れているように、
この土地の事を考えようともしない。
 誰も彼も、さしせまった毎日の生活のために駆け回っていて、そんな事を考える暇はない。しかし、時には忙しい間から一、二時間の暇をさいて、自分たちの周囲を見回し、この土地の成因を考え、今日の如くになったその時の流れを振り返ってみるのも決して無駄ではあるまい。我々ははそれによって、生まれた土地に対する新たな愛着の念と、かけがえのないものとしてこの山河を尊重し、この町の自然をよりよいものとしようとする決意を持つに至るであろう。
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